野球界だけが救われた

とりあえず、余りにバカ過ぎてどこからつっこんでいいのか判らんが、

もう誰もがご存知でしょうが、一昨年6月、オリックス近鉄の合併問題が起きた際、いち早くライブドアが買収に名乗りを挙げました。堀江社長大阪ドームを訪れた際には、大フィーバー。「ホリエモン」コールが巻き起こり、当時の梨田監督によれば「ファンの方も、私もあの時点では“救世主”のように映った」と述懐しています。
話題作りであったか、本気であったか、私は前者だと認識しています。近鉄本社も日本一の私鉄、それなりにいろんな模索をしたはずで、万策尽きて合併を持ちかけたので、他へ売却する気はなかったと分析しています。


救世主云々はともかく、少なくとも球団運営を辞める上で「他球団との吸収合併」なんて最低最悪の手段を選んだ近鉄本社よりはよっぽどまともな考えなんですけど、この記者さんは11球団になった方が良かったとか仰るのでしょうか?

日本プロ野球機構と実行委員会では、両社から経営内容やチーム運営の具体的プランなど、2度にわたってヒアリング、最終的に楽天の参入を認めました。
 歴史に「もし……」はないでしょうが、ライブドアが参入していれば、どうなっていたでしょうか。もう球界は大混乱に陥っていたでしょう。

楽天が同じ目に合わないと言う根拠がどこにあるんでしょうか?というか、現に他球団の親会社持ち株問題で充分に大混乱が起こってたはずですが、知らないんでしょうか?新聞記者なのに。

堀江氏が逮捕された23日、根来コミッショナーは「新規参入の審査でも、ライブドアの薄暗い部分に批判が集まった。審査が正しかったということ」と語っていました。日本プロ野球機構に私はいろんな不満を持っていますが、あの時の選択には拍手を送りたいと思っています。

このコミッショナー、再編問題が紛糾した頃「辞任」とか言って逃げ出してたんですけど、これも忘れてるんでしょうか?っていうか、審査そのものがどう見たって茶番だった訳で、出来レースに選択もクソも無いっしょ。「後出しジャンケン」って言葉が使われてたけど、逮捕劇の後に書かれたこの記事自体も、これまた典型的な結果論であり後だしジャンケンだよね。

しかし、堀江氏は二の矢を放ちました。秋に選手会プロ野球史上初のストライキを打ち、1リーグ制を目論む複数の球団もこの強硬姿勢と世論の支持を受け入れざるを得なくなり、パ・リーグにもう1球団を増やすことが内定しました。

私は2リーグ制の絶対支持者です。元々、近鉄の担当記者としてスタートしたこともあり、DH制の野球も魅力があります。昨年の交流戦は大好評、ロッテの日本一も含めパの野球の面白さは、さらに浸透したと感じています。
 だから、ライブドアがパの一員であれば、またぞろ1リーグ制論者が頭をもたげ、おかしい方向に行く可能性があったと思っています。

2リーグ制支持者ってのは問題ないし、DH制の好き好きも個人の趣味なので別に良いのだが、そこからの繋がりがさっぱり判らん。

そもそも、「もしライブドアが球団を持っていたら」という前提の次に「今回の問題でライブドアが球団が手放す=球団が消滅する」事を決定事項として話してるのが間違いだと思うのだが。
経営に行き詰まったら他の親会社(もしくは地域共同体)を探して12球団を維持しようとするのが本来の姿でしょ。しかも、この場合楽天が「待ってました!」とばかり控えてる訳で、売り先が見つからないなんて事はありえない。その時点で1リーグ制なんて方向性は生まれ様が無い。

大体、突き詰めれば近鉄がとっとと単体で球団売却をしておけば(合併云々なんて事を言い出さなければ)、1リーグ制なんて言葉も出て来なかった訳でしょ?(実際には前々から言葉はあったけど、再編問題をきっかけに声高に叫び始められた形なので。)

なんか、こうやって書いてるとホリエモン擁護してるみたいですが、
「良いものは良いし、悪い事は悪い(って、まだ罪状確定してないけど)」。
罪とは別に、残した功績はちゃんと評価すべきだと思う。
何よりも、プロ野球界みたいな天井から底まで腐りきった世界は、外からの人間が飛び込んで自爆テロでもしてぶっ壊さない事には変わり様が無い。そういう意味では物凄く期待出来るキャラクターだったんだけど。
また、大半の経営者が「ファンの皆さんのため」云々を口にしつつも金勘定しか考えていないのに対して、はっきりと「経営的に旨味がある」と口にしちゃう辺りは、反って信用出来る。少なくとも経営そのものにやる気が無いはずは無い訳で、うまくいけば野球そのものの面白さに気づいてくれる可能性もある。まあ、おそらくは三木谷みたいに現場に口出ししすぎて衝突すると思うけど。

何にせよ、この手の「ホレ見た事か」的な記事が逮捕劇以来とみに目に付くようになって少々ウンザリ。ただ、そんな中で例外も。