ファンとの化かし合いの必要はない

日刊のリンクに載ってた記事。

パ・リーグの球団を担当する記者としては、新たな仕事が増える。予告先発がなくなるため、先発投手を毎試合、全24試合を予想しなければいけないのだ。セ・リーグの担当記者はいつも仕事。これが結構、厄介。だからではないが、個人的には予告先発の方がいいと思っている。

と言う趣旨なのだが、

事前に先発投手を「告知」していた方が、ファンにとっては有益だろうということだ。例えばだが、もちろん日本ハムの投手ではダルビッシュが一番人気。そのエースの先発日に合わせ、球場に足を運ぶファンは多い。観客数の違いを見れば、明らかだ。

そりゃあ、ごもっとも。改めて説明されるまでも無く、誰でも分かると思うんだけど
じゃあ逆の例は?

今日は捨てゲームです。
あからさまに谷間のピッチャーで予告先発
お客さんも少なくて、大勢の前で大敗の恥を晒さずに済みました。
メデタシメデタシ。

・・・と考えられるほどにポジティブシンキングだったら感心するけど、メリットだけ挙げてデメリットに言及しないってのは、比較論の最低条件すら満たしてないんじゃないの?

先発投手陣は、球団によっては、調整を変えて、登板日を分からないようにすることもある。そんな「化かし合い」が、相手をかく乱する効果があり、戦う前から試合の主導権を握ることがあると、見ている監督もいるのは事実だ。個人的にだが、そんなことはお互いに予告先発であればフェアであるし、正々堂々した戦いで必要はないだろう。

「化かし合い」にメリットを感じてる人がいる以上、少なくともその監督達には
「必要」な制度な訳で、それを廃止したいならそれ以上のメリットを提供しなきゃ話にならんよね?
しかも、元々のルールブックに予告先発が規定化されてるわけでもなく、人気取りの為にパ・リーグが勝手に導入した制度を守らない事をアンフェアと言われても説得力皆無だしね・・・
だからこそパの監督の中でさえ事実上の反対者が多いわけで。

※本当にアンフェアなのは昨年末の某国みたいに相手の先発見てからメンバー代えちゃうような恥知らずなのを言うと思うんだけど。

なかにはお小遣いを工面して通う子どもたちもいるだろう。もしダルビッシュ目当てに観戦に来て、違う選手が先発だったら、それはそれで楽しいかもしれないが、がっかりする部分は、かなりあるだろう。予告先発ならば、そんな「ムダ金」を使わせることもない。

で、やっぱりというか子供を引き合いに出してくる訳ですが、物事には躾と言うものがあります。何でもかんでも甘やかせば良いという訳じゃない。
エースの投げる試合しか見に行きたくない!なんてハンバーガーしか食べない偏食児童と一緒です!

そもそも自分が小中学生の頃は、ナゴヤ球場の当日券なんて早々取れなかったし、前売り券の発売時期は数週間前。先発ローテなんて見当も付かない程早い時期だし、当時はパ・リーグにも予告先発なんてものは無し。
大体、プロ野球のチケットなんて貰い物で廻ってこない限りそうそう手に入らなくて、野球を見に行けると言うことだけで興奮したもんです。それこそ先発が誰かなんて事は二の次で。

例えそれで当て外れの投手が出て来てメッタ打ちになったとしても、世の中そうそう思い通りに行くもんじゃない、という現実を体で覚えて人は成長していく訳です。
それに、期待ハズレを味わわされるのは何も先発だけじゃありません。

球界屈指のめいセットアッパー氏がここ4年で私に見せてくれた数々の奇跡。

・リーグ優勝にマジック1。2−2の同点からラミレスに決勝2ラン
日本シリーズで赤田・ホセを歩かせてカブに満塁ホームラン
・残り7戦でマジック4。吉見−平井で7回2/3零封を受け、1アウト取れば良い状況で内川歩かせて村田に逆転スリーラン
日本シリーズ2−3一点差の8回にセギにトドメの2ラン
アジアシリーズ2点リードの8回に1人歩かせて計算どおりの同点2ラン

こんな光景を、「自分の好きなピッチャーが先発じゃなかった」程度でショックを受けてるような脆弱な子供が見たらどうなりますか!?
過保護にするばかりが子供の為だと思ったら大間違いですよ。